ギャンブルの期待値について説明します。期待値の仕組みや計算方法を知り、公営ギャンブルでの予想に役立てましょう。
ギャンブルの期待値は「払い戻される金額の平均値」

ギャンブルの期待値とは
投票した時に払い戻される金額の平均値
例えば「10,000円投票した時の期待値は8,000円」などの形で使われます。
期待値が高いほど、ユーザーに有利で勝ちやすいギャンブルと言えます。
ギャンブルの期待値の計算方法は「投票金額×還元率」
ギャンブルの期待値は「投票金額×還元率」の式で計算できます。
投票金額 | 還元率 | 期待値 |
---|---|---|
100円 | 80% | 100円×0.80=80円 |
10,000円 | 75% | 10,000円×0.75=7,000円 |
100,000円 | 70% | 100,000円×0.70=70,000円 |
なお「還元率」そのものを「期待値」と表すこともあります。
ギャンブルでは「還元率」という言葉が用いられるのですが、実質的には期待値と同じです。
東洋経済オンライン|確率と期待値「賢くお金を増やす」のは、どっち?
実際の期待値は「投票金額×オッズ」で計算できる

個別のレースにおける期待値を計算する方法は「投票金額×オッズ」です。
例)100円を3.5倍のオッズに賭けた場合
期待値は350円(100円×3.5倍)
また、期待値が1未満の場合、その買い方は「トリガミ」になる可能性があります。トリガミとは当たっても投票金額未満の賞金しかもらえない状態のことです。
トレンドのトリガミの意味って→馬券が当たっているのに結果は損していることなのか🤔粋が身を食う→遊郭や芸者遊びにのめり込みすぎて身を滅ぼす→ガミを食う=転じて損をするの意味に…日本語って奥深い🐴
— 真知★ (@lunax_lunaire23) November 29, 2020
トリガミは実質負け状態となります。公営ギャンブルの投票時は期待値が1以上になっているかに注目しつつ、買い目や投票金額を決定しましょう。
複数オッズ(合成オッズ)の期待値の計算方法は複雑
公営ギャンブルでは、複数のオッズに同時に賭けることもあり、この賭け方を「合成オッズ」と言います。
合成オッズの場合、期待値の計算方法は若干複雑で、以下のような式を使います。
合成オッズの期待値=1÷((1÷オッズ)+(1÷オッズ)+(1÷オッズ)・・・)
例)競馬で2倍、2.5倍、4倍のオッズに同時に賭ける
1÷((1÷2)+(1÷2.5)+(1÷4))
=1÷(0.5+0.4+0.25)
=1÷1.15
≒0.869
上記の例では、0.869倍のオッズに1点投資していることと同じ意味になります。
ギャンブル期待値について知っておくべき注意点

ギャンブルの期待値を理解する上で、知っておくべき注意点を整理して解説します。
「オッズ=確率」ではない
オッズと確率は関係性がありますが、全くの別物です。的中する確率に応じて、オッズも変動するという関係性になります。
確率 | オッズ |
---|---|
低い | 高い |
高い | 低い |
例えば3連単の賭け式は、的中確率はかなり低い分、オッズは高くなります。

逆に複勝やワイドの賭け式は、的中率が比較的高い分、オッズは低くなります。

公営ギャンブルの期待値は、税金を考慮すると実質20%減になる
公営ギャンブルで得た当選金は、「一時所得」に分類されるため、所得税の課税対象になります。
公営競技(競馬、競輪、オートレース、ボートレース)の払戻金については、一時所得として確定申告が必要となる場合があります。
国税庁|公営競技の払戻金の支払を受けた方へ
投票が当選しても、全額をもらえません。当選金の一部は、納税する必要があるためです。税金分を考慮した実効還元率は約20%減となります。

なお実際に一時所得に適用される税率(所得税率+住民税率)は、10%~55%まで幅があります。

大きな払戻金を得ていなければ、納税額は小さくなるため、還元率は通常通り(70~80%程度)になります。
逆に公営ギャンブルの投票を通じて、年間9,000万円以上など大きな賞金を得た場合、実効還元率(実質の期待値)は60%未満にもなり得る点は知っておきましょう。
投票金額と期待値の差額が胴元の利益(ハウスエッジ)になる
投票金額と期待値(実際の払い戻し額)の差額は、公営ギャンブル開催元の利益となり、「ハウスエッジ」と言います。
具体例)
1,000円を賭けて870円の払い戻しを得た場合、差額の130円が胴元の利益
ハウスエッジは「100%-還元率(期待値)」の式で計算されます。各公営ギャンブルのハウスエッジは以下の通りです。
公営ギャンブル | 還元率 (期待値) | ハウスエッジ |
---|---|---|
競馬 | 70~80% | 20~30% |
競輪 | 75% | 25% |
ボートレース | 70% | 30% |
オートレース | 70% | 30% |
宝くじ | 約45% | 約55% |
サッカーくじ | 約50% | 約50% |
胴元の得た利益は、公共事業や社会福祉事業などの資金として活用されます。

画像引用:みんなのくらしと地方競馬|地方競馬のあらまし|もっと!地方競馬|地方競馬情報サイト
ちなみに公営ギャンブルのオッズは、必ずハウスエッジの値がプラスになるように調整されます。投票状況に応じてオッズが変動するのも、ハウスエッジをプラスの値にするためです。
期待値通りの結果になるとは限らない
公営ギャンブルで投票する際、期待値通りの結果になるとは限りません。特にハイリスクハイリターンな賭け方(高オッズ狙いの賭け方)をすると、期待値から大きく外れた結果になります。
例えば500円を50倍のオッズに賭けた場合、以下の表の通りになるイメージです。
投票結果 | 払い戻し金額 | 還元率 |
---|---|---|
的中 | 2万5000円 | 5000% |
不的中 | 0円 | 0% |
当たれば期待値を大きくできますが、結局は全く当たらず、期待値0%になることもよくあります。
逆に低リスクな賭け方(低オッズや合成オッズでの賭け)を続けると、ほぼ期待値通りの成績になります。

上記の画像は筆者自身が、競輪でひたすらワイドや2車複、2枠複で投票し続けた日の成績です。総投票額55,800円に対して43,200円の払い戻しを得て、還元率は77%となりました。
少し減ってでも確実に賞金を得たいなら低オッズ、負けるリスクがありながらも高額賞金を狙いたいなら高オッズに賭けるのがおすすめです。
一般的な「期待値」とはニュアンスが異なる
公営ギャンブルの期待値は、一般的な「期待値」と少しニュアンスが異なります。
一般的な期待値
期待値=「得られる金額×確率」+「得られる金額×確率」+「得られる金額×確率」・・・で計算
例えば6面のサイコロがあり、出た目に応じて以下の賞金がもらえると仮定しましょう。
出た目 | 賞金額 | 的中確率 |
---|---|---|
1 | 100円 | 6分の1 |
2 | 200円 | 6分の1 |
3 | 300円 | 6分の1 |
4 | 400円 | 6分の1 |
5 | 500円 | 6分の1 |
6 | 1,000円 | 6分の1 |
このサイコロを1回投げた時の期待値は、
(100円×1/6)+(200円×1/6)+(300円×1/6)+(400円×1/6)+(500円×1/6)+(1,000円×1/6)
=16.6+33.3+50+66.6+83.3+166.6
=426.4円
になるということです。
通常の期待値と公営ギャンブルの計算方法が異なる理由は、公営ギャンブルの各事象は発生確率が決まっていないためです。

ダイスゲームやルーレットのように、各事象の出現確率を算出できない以上、公営ギャンブルでは確率の代わりに「還元率」が用いられます。
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